福島市にて「誰のための『復興』?」と題した
講演会にお邪魔しました。
お話しして下さったのは
市村さんには2年前にもお話をお聞きして
それを元に漫画を描かせてもらったことがありましたが
「震災後からずっと『自分は避難者』と
言い続けることにこだわっている」という
言葉が印象的でした。
今でも変わらず、そう自称されるそうです。
事故を起こした福島第一原子力発電所を有し
その富岡町の、
現在の住民票登録者数は12,932人
町内居住者数、つまり町に帰還した人は1,010人。
現在避難している人は11,922人に及びます。
(富岡町・2019年5月15日発表)
除染のため、住宅は解体され
今でも空き地だらけの富岡町。
市村さんの自宅も解体されました。
「表札も取りますか?」と聞かれ、
「自分たちが生活していた証がなくなるから」と
表札だけは残してあるということでした。
「町に立ち寄ると
工事車両が走っていて、人はいるんだけど
<人の生活>を感じられない。
町に帰ってきたという感覚はなくて
工事現場に来たという感じがしてしまう」
「自分たちが求めているのは
生活を戻すための復興。
だけど実際に行われているのは
経済のための復興だと感じる」
「<復興>という言葉は
正直言って難しくてわからない。
それは福島の人だけじゃなく、
津波被災地の子ども達と話していても
『復興って一体なんですか?」と聞かれる」
その他に市村さんから
今日、投げかかられた言葉は・・・
「オリンピックは何のためにやるの?」
「元号が変わった時に
『終わったこと』にされた気がした。
社会のマインドが確実に変わった」
他にも当事者である町民としての言葉を
たくさん聞かせてもらいましたが
いずれきちんとした形にまとめて
市村さんの承諾をもらった上で
みなさんにお伝えできたら・・・と考えています。
福島から仙台へ戻る高速道路のサービスエリアでは
2020年5月完成を目指した
大規模な工事が行われていました。
現在、東北のあちこちでは
「これってオリンピックのため?」という工事が
多く見られます。
綺麗に整備された街を見た人たちは
「復興したんだね」と感じるのでしょうか。
「復興って何なのか」
今だからこそ、私たち一人一人が
改めて考えること、
そして一人一人がそれぞれの言葉にすることが
必要なのでは?と感じました。