イラスト「手作り次亜塩素酸ナトリウムを正しく使うために注意したいこと」

医療系の取材漫画本を
何冊か描いてきた私が
今、出来ることはやっぱり
イラストや漫画で
情報をわかりやすく伝えることかな?と
思ったので
「この情報は必要かも」と感じたことを
イラストにしてみます。

(尚、このブログは現在のところ
広告収入を得るなどの収益化はしていません。
この記事は市民活動の一つとして公開します)


アルコール消毒液の入手が難しくなり
自宅にある台所用漂白剤を使って
消毒液の一つである
「次亜塩素酸ナトリウム」
手作りする人が増えました。
手軽に作れるのが良いところですが
いくつかの注意を守って
正しく使うことが必要です。


「さっそく作り置きした!」
「少しの原液でたくさん作れるから
アルコール消毒液の代わりにたくさん使おう」
・・・・という人がいらっしゃったら
ぜひ以下の解説も読んで下さいね。


まず、
紛らわしいのですが
最近になってよく聞かれる、

「次亜塩素酸水」(酸性電解水)と
「次亜塩素酸ナトリウム」は
まったく別のものです。

「次亜塩素酸水」と違い
「次亜塩素酸ナトリウム」は
身体への使用はできません。


原則として、
台所用漂白剤で手作りした
「次亜塩素酸ナトリウム」
消毒した後に
水吹き、水洗いが必要です。

出典:子ども感染症ナビhttp://www.shionogi.co.jp/infection_navi/prevention/disinfection.html


そして
台所用漂白剤で作った
次亜塩素酸ナトリウムは
薄めた液であっても
金属には使えません。
腐食し、サビの原因となります。


それについては
台所用漂白剤の注意書きにも
書いてありますし、
どのメディアにも注意があるのですが、
一方で
「ドアノブの消毒に使える」とも
書いてあったりして
混乱してしまいますよね。


その他、服や
テーブルなどの木製家具は
「変色、色落ちする場合がある」と
ハイター、キッチンハイターの
販売元・花王が注意勧告しています。
金属・衣服・木製家具などは
材質にもよりますが
出来る限り使用を控えた方が良さそうです。


「じゃあ、手指消毒もしたいし、
次亜塩素酸水を使えばいいのね」と
なりそうですが
国は「次亜塩素酸水による手指消毒の
有効性は確認していない」としています。
(2020年4月10日の時点での回答)
この点を専門家に質問してみましたが
「次亜塩素酸水を手指消毒に使っていいよ、とは
積極的には言えない」ということでした。
ただ、次亜塩素酸水メーカーによっては
「手指消毒OK」というところもあるので
これについては自己判断ということになります。


次亜塩素酸水
次亜塩素酸ナトリウム
どちらを使うにしても
製品の注意書きをよく読んで、
不明点はメーカーに問い合わせてから
納得して使ってくださいね。


話を戻して
その他、
台所用漂白剤から作った
次亜塩素酸ナトリウム液で
注意することとしては・・・

・水で希釈する時は
水→原液の順番にする。

「原液→水」の順番が
一般的に紹介されていますが
(東京都の動画もこの順番です)
原液に水を加えると
加えた瞬間に化学反応を起こして
溶液(希釈した水)が飛び散る場合があります。
念のために
水→原液の順番を守る方が安全でしょう。


そしてこれは当然ですが

・希釈濃度を守る
(0.05%)


「濃度が高いともっと効果があるかも」と
考えて原液を多めにする人がいるようですが
とてもキケンです。
台所用漂白剤をどれくらいの割合で
希釈するか?は
厚労省が製品ごとの割合を
解説していますので
こちらを参考にして下さい。

出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000614437.pdf

もう1つ注意することは

・作り置きはしない。

希釈した次亜塩素酸ナトリウム液は
分解されやすく
効果が持続しません。
気温が高い、
日光などに当たるなどで
更に分解がはやまります。
使うときに使う分だけ
作るのが理想ですが、
やむを得ず、使用時間が先になる場合は
冷蔵庫など、15度以下の冷暗所で
保管することが勧められています。


その際は、誤飲を防ぐために
「飲み物じゃないよ!」
「消毒液・キケン!」など
家族がパッと見てわかるように
容器にマジックなどで大きく書く
ことも
お忘れなく。

次亜塩素酸ナトリウムについては
一般的になるに従って
今後、もしかしたら
新たな注意点が出てくるかもしれません。
気がついたことがありましたら
また追加してお伝えします。


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