「山菜(コシアブラ)が100ベクレルの基準値を超えても出回るナゾ」とは。

6月1日の東京新聞
「直売所やインターネットで販売されていた
山菜のコシアブラから
食品基準(1キロ当たり100ベクレル)を超える
放射性セシウムが検出された」

・・・・という記事が出ました。


その記事に関連したオンラインセミナー
「山菜の女王コシアブラが
100ベクレルを超えても
出回るナゾを解く」が
急遽開かれたので
突然ではありましたが
自宅から参加してみました。
『みんなのデータサイト』さん主催。
東京新聞の記事でインタビューされていた
ふくしま30年プロジェクトの阿部さんも
登壇されました)

コシアブラは
「山菜の女王」と呼ばれる、
主に東北で採られる山菜です。
(ちなみに「王様」はタラの芽)
形はタラの芽に似ていて
苦味があり、
天ぷらにして食べる人が多いようです。
4〜6月に市場に出回る季節もので
収穫量が少ないことなどから
市場の価格は高め。
東北の人々の中には
「コシアブラを食べないと春が来た
気がしない」という方もいるほど
昔から馴染みの深い山菜の一つです。


そんなコシアブラですが
今回の報道で驚くのは・・・

・9年経っているのに山菜は
まだこんなに放射線量が高い!?


・基準値を超えているものが出回っている?


・しかもネット販売されている???


・・・ということです。


(画像資料は「放射能測定マップ+読み解き集」より)



原発事故から9年。
その間に農作物の多くは
食品中に含む放射性物質が少なくなりました。
(「なぜ少なくなったか?」は
『ふくしまノート2』で詳しく書きましたので
興味がある方は読んでみてください)


しかし山菜は
そもそも放射能を貯めやすい性質で、
山林の落ち葉が堆積している場所に
生育しています。


ではどうして
落ち葉が堆積している場所は
田畑と違って
放射線量が高いままなのか?
というと・・・

落ち葉に付着したセシウム

樹木にセシウムが移行

汚染された樹木の葉が落ちる

土壌が汚染


・・・と図のようにグルグルと
循環してしまうからです。


そして山菜の中でも
コシアブラは特に
放射性物質を貯めやすいと言われています。
9年経っても
基準値を超えるコシアブラが
発見されるのは
こういった理由があるのです。

ここで注意が必要なのは
基準値を超えるコシアブラが見つかったのは
福島だけではないということです。

(緑色に着色されていない宮城、山形でも
基準値超過のコシアブラが
民間の測定所で確認されていますが
行政としての発表はないようです)


全体的には
土壌汚染が減少している反面で
今年の春は
事故後2年の春に比べて
県外で基準値超過のコシアブラが
発見されるケースが増えています。
長野市や軽井沢でも
コシアブラの出荷制限措置がとられました。


では出荷制限がかかったコシアブラが
なぜ販売されてしまうのか?


長くなりますので
明日あらためて解説させてもらいます。


「放射能のことってなんだか難しくて
怖い」と思われるかもしれませんが
誰にとっても大切なことなので
ぜひ読んでみてくださいね。


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