第4話「あの時、病院はどうなっていた?」−②
第1波の医療物資不足問題の中、
少ないながら
何とかマスクを調達できた、
松下医師の病院。
その騒動で学んだのは
こんなことだった。
ちなみに現在
外来で
コロナ患者さんに対応する医療者が
最低限必要とされている防護具は…
その中でも
最も重要で
最も消費するのは
医療用ビニールエプロンである。
その頃から
どの病院でも
ビニールエプロンをはじめとする
医療物資不足が
深刻になってきていて
特に地方都市の
大きめな病院では
ビニールエプロンを
院内で作り始めていたところは
少なくなかった。
‥‥と
急いで必要な材料と道具を
ネット通販で探し出したのの
そして
届いた材料と道具を
休日に病院へ運び込び
空いている部屋で
一人で1日に50枚以上の
医療用ビニールエプロンを試作した。
その後
試作したビニールエプロンを
感染症の専門医に見せて
意見をもらい
改良して
再び確認してもらったのち
お墨付きを頂戴した。
外出自粛の影響で
外来患者さんが減り
手が空いている部署に
実演行脚して回ると…
あっという間に
ビニールエプロン生産の
24時間体制が出来上がった。
なぜみんなが
こんなに協力的だったか?というと…
その頃は
入院患者さんが発熱すると
院内感染を防ぐために
その病棟の看護師が
患者さんから
PCR検査の検体を
とっていたのだが
看護師の中には
泣き出す人がいた。
医療者にとって
何より怖いのは
自分が感染することではなく
自分が感染源となって
患者さんに
ウイルスを運んでしまうことである。
その時
松下医師が
改めて実感したのは…
その証拠に
あの混乱の最中、
手作りのビニールエプロンによって
安心感を得た職員は多く
‥‥が
その頃になると
全国的なステイホームにより
運送がパンクしていて
ネット通販業者に注文しても
1〜2ヶ月待ちのことが多かった。
そんな中
配送が一番速かったのは‥‥
「メルカリ」だった‥‥‥‥。
まだまだ続く
他の医療物資・院内生産はいかに?
そして
コロナによって病院内の変化は
医療物資不足だけでは
なかったのであった。
4話−② おわり
本話に登場してもらった松下医師とは
以前から交流があったので
医療物資を作っていたことは
リアルタイムで知っていたのですが
それでも、この漫画を制作するために
オンライン取材させてもらい
はじめて知った内情が多く
時間をかけて聞いてみないと
何事も見えてこないものなんだ・・・と感じました。
私たちはついつい
報道で知っているように感じるけれど
実は現場で起きていたこと、
当事者の感情をどれだけ知っているのか?
とても深く考えさせられた取材でした。
4話「あの時、病院内はどうなっていた?」
3回目の公開は
8月5日(水)です。
医療物資不足のほか、
どんなことが病院内で起こっていたのかを
振り返ります。