10年かけて、たった一人で避難の山を造ったシニア①「五つ星シニアを探せ!」

子ども達に語り継ぎたい。
東日本大震災の津波発生時に
70人以上の命を守った小さな山
「おさとうやま」の物語。

「五つ星シニアを探せ!」
WEB版

週刊連載「五つ星シニアを探せ!」
河北新報2021年10月21日掲載



「高齢男性が一人で切り開いて
避難所にした山」と聞いて
実際に足を踏み入れてみましたが・・・


小さな山は思っていたより広く、
いくつもの階段や建物があり
途中で何度も何度も
「本当に一人で?」と
同行してくれた地元の人に
確認したほど衝撃を受けました。
一体どれだけの人が
将来起こるであろう災害のために
10年もかけて一人きりで
まるごと一山を避難の山に
開拓できるのでしょうか?


「老後の道楽を兼ねて造った避難所」と
謙遜していた佐藤さんですが
「おさとうやま」に建築したものは
どれも65歳の男性が
独力で建てたとは思えないほど立派。


「家族や人の命を守るという
目的があったから
造っている間は
『つらい』『嫌だ』と思ったことは
一度もないんですよ」
そう言い切る姿が印象的でした。


そんな「おさとうやま」の物語。
3回連続でお届けします。