東北の海岸線を囲む
無彩色な防潮堤を
「風景が生まれる美術館」に。
コメンテーターをさせてもらっている
仙台放送「Live News イット!」の
震災特集『ともに』で紹介した、
防潮堤に壁画を
創り出す活動が気になって
この週末、雄勝町へ行ってきました。
雄勝町は
地区の7割である
約1100世帯の家が全壊、
町民4300人のうち243名の方々が
津波の犠牲になりました。
そして震災後
雄勝には9.7mの防潮堤が
陸地を取り囲むようにぐるっと建設され、
海がまったく見えない、
グレーの壁ができました。
東北の誰もが
違和感を抱いている
グレーの壁。
それが壁画に・・・!
どんな風景が生み出されるんだろう?
実物を見てみたい。
そんな思いを抱きつつ、
自宅がある仙台から約2時間
車を走らせると・・・・・・
あったあった!
実物は想像以上に大きい・・・!
この高所作業車に乗って
描いているそうです。
海と空の青色が美しい。
現場には大量の塗料が。
これだけ大きな作品を制作するには
どれだけの塗料が必要なのか・・・
考えるだけでもクラクラしそう。
夢中で写真を撮る井上
(同伴のオット撮影)
壁画の横には
津波の危険性が生じた際に
自動閉鎖される大きな扉が。
その向こうは小さな港。
休日とういこともあり、
親子連れが釣りを楽しんでいました。
元々の防潮堤はこんな感じでした。
(「海岸線の美術館」HP掲載写真を
お借りしました)
↓
この防潮堤壁画は
「海岸線の美術館」のプロジェクト。
館長:高橋さん(左)と
アーティスト:安井さん(右)に
制作のお話などをお聞きしました。
この防潮堤壁画の他に
今年5月には
雄勝小中学校の校舎に
桜の木をモチーフにした壁画が完成。
子ども達と一緒に制作されました。
学校なので
常時一般公開はされていませんが
1年に数度、公開されるそうです。
安井さんが持っているのは
雄勝石のスレート瓦。
2012年に改修工事された
JR東京駅の屋根瓦にも使われています。
「これに絵を描きたいと
思っているんだけど…」
「それならこういう画材がいいかも」
大学で美術を教えているオットと
情報交換。
微力ながらお役に立てると
いいのですが・・・。
家庭ではそんな専門的な話はしないので
「そういえばオットって
専門家だったのね」と再認識しました(笑)
「海岸線の美術館」の公式サイトは
こちら。
創設の思い、
今までのプロジェクト、
これからの活動予定など
とてもわかりやすくまとめてあります。
↓
防潮堤壁画の披露会である
「開館セレモニー・雄勝壁画まつり」は
11月26日(土)午前11時〜
ぜひ一度
雄勝の海と山と空、
そしてこの防潮堤壁画を
ご覧頂きたいです。
さまざまな課題があり、
簡単にできる取り組みではないでしょうが
私の周りでは
「雄勝のこのプロジェクトが
モデルケースになって
東北中に広まるといいな」と
期待している人が多数います。
東北の海岸線を取り囲んでいる
防潮堤が
こんなアートになったら
どれほど多くのメッセージが
後世に伝えられるだろう・・・?
そんな期待を抱いた
雄勝での週末でした。